2015年2月4日水曜日

眼が開けにくい眼瞼下垂の原因と治療法

眼瞼下垂は病名ではなく、体の症状を表す言葉である。
健康な眼では、まぶたは上眼瞼挙筋とミュラー筋という2つの筋肉によって持ち上げられ、さらに眉毛の上にある前頭筋が補助的に働いて、眼が開いた状態になる。




これらの筋肉が何らかの原因により妨げられて、眼を開くのが困難になり、まぶたが下がる、重いなどの状態になるのが眼瞼下垂である。

眼瞼下垂の原因

動眼神経麻痺、重症筋無力症、眼筋ミオパチー、モルネル症候群がある。
このうち、動眼神経麻痺は、上眼瞼挙筋を動かす動眼神経に起こる病変であり、これにより眼瞼下垂が生じる。動眼神経は眼球を動かす筋肉の一部も上持つため、眼球の一の異常や、ものが2つに見える複視が生じる。


眼瞼下垂の種類

先天性眼瞼下垂

程度はいろいろだが、片方だけ特に下垂がひどく、瞳孔が隠れる状態の場合は早期手術が必要になる場合がある。

コンタクトレンズ性眼瞼下垂

多くは挙筋腱膜やミュラー筋のゆるみが原因。
コンタクトはハード・ソフトにかかわらず、コンタクトを長く使用している人に出現する場合がある。太平は片方の下垂である。
コンタクトを中止すると1か月前後でかなり回復するが、左右差が気になる場合は手術することになる。

術後性眼瞼下垂

多くは挙筋腱膜やミュラー筋のゆるみが原因。
比較的長い時間の手術を受けたときや、外傷によって瞼板に付着している挙筋の腱膜が筋肉ごと外れたときに起こる。

加齢性眼瞼下垂

多くは挙筋腱膜やミュラー筋のゆるみが原因。
おおむね50歳を過ぎたころから生じる。腱膜や筋のたるみだけでなく、皮膚の弛みが主因になることもある。頭痛や肩こりの原因になることもあり、手術が行われることもある。

眼瞼下垂の治療

「ある種の病気」の合併症として生じた眼瞼下垂の場合は、他の眼瞼下垂と同様の手術をしてもほとんど効果がない場合がある。
眼瞼下垂にはいろいろな原因があり、手術が有効なものやそうでないものがあるため、まずは眼科で原因を確かめ、対応を検討することが必要である。

ある種の病気の例

  • 上眼瞼に腫瘍ができたとき
  • 甲状腺眼症の場合のように脂肪組織が増大した場合
  • 顔面神経麻痺の後遺症
  • 顔面けいれん
  • 本態性けいれん(眼を開くための脳からの指令がうまく伝わらない病気)