2015年3月7日土曜日

眼が飛び出してくる甲状腺眼症・バセドウ病

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甲状腺眼症とは

甲状腺の異常から引き起こされる目の病気を甲状腺眼症といい、バセドウ病もその一つです。


バセドウ病になると眼が飛び出る理由

甲状腺はのどぼとけの下の気管の前側に位置する、蝶が羽を広げたような形をした組織で、ホルモンを分泌します。

バセドウ病は、甲状腺の機能が異常に亢進する病気で、動悸、いらいら、発汗過多、手指の震え、疲れやすさ、下痢、体重減少の症状に加えて、眼球を動かす筋肉や眼球周囲の脂肪組織が腫れることによって、眼球突出が生じる甲状腺眼症があります。

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その他の甲状腺による眼の症状

眼が重い、眼が開けにくい、眼がはれぼったい、二重瞼の線が変化した、眼が疲れる等、様々な症状があります。これらの症状は甲状腺に限らず現れることがあるので、検査するまで甲状腺との関連が気づかれないことが少なくありません。


どの年齢層にもみられる

甲状腺眼症はどの年齢層でも見られます甲状腺機能が亢進した例の6割以上で合併するとされています。女性に多く見られますが、男性の場合は重症やしやすいのが特徴です。

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ぶどう膜炎 眼が赤い 痛い まぶしい

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ぶどう膜炎の症状

ぶどう膜炎は虹彩、毛様体、脈絡膜の三つをまとめた呼び名です。
これらの組織の起こる炎症をぶどう膜炎です。

その症状は、結膜(白目)が充血する、眼が痛い、まぶしい、かすむ、目の前に黒い影が見える(飛蚊症)、ものが見えにくい、といったものです。

ぶどう膜炎が起こる原因

感染によるものと、免疫異常によるものに分けられます。

感染によるものは、細菌、真菌(かび)、ウイルス、寄生虫などによって引き起こされます。
免疫異常によるものは、ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病などがあります。

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ぶどう膜炎の原因疾患について

サルコイドーシス

サイコドーシスとは

怪我をしたとき、傷が治るときに出てくる組織を肉芽(にくが)といいます。この肉芽が、怪我でないのにできるのがサルコイドーシスの特徴です。

この疾患は、眼だけでなく、リンパ節、肺、皮膚、骨、肝臓、心臓などにも不必要な炎症の塊(肉芽腫)ができて、色入りな症状を引き起こします。

※ 膠原病、リウマチ、糖尿病、血液疾患、悪性腫瘍などの全身疾患の症状としてでることもあるため、詳しい検査をして原因を調べる必要があります。


サイコドーシスが眼に起こす症状

かすみ目、まぶしい、充血、飛蚊症といった症状があります。
眼の中で炎症が強く起こったり、長い間炎症が続いたりすると、網膜の中心部の黄斑が腫れて網膜が傷害され、緑内障や白内障などを起こすことがあります。

サイコドーシスの治療

重大な合併症を起こすことはあまりありませんが、慢性化することがよくあります。
治療は、ぶどう膜炎や網膜静脈炎が軽いときは、点眼薬だけですが、眼底の炎症が強いとき、視神経に炎症があるとき、硝子体混濁の強いときなどには、ステロイド剤の注射や内服が必要になります。

ベーチェット病

ベーチェット病の特徴

ベーチェット病の基本的な特徴は、血液の中の白血球の反応が非常に強いことと、炎症のために静脈が詰まる「閉塞性静脈炎」の発症です。

ベーチェット病が眼に起こす症状

虹彩毛様体炎が起こり、充血や痛み、かすみを引き起こします。しかし炎症が治まれば視力が回復します。
炎症が眼底に起こる網膜血管炎と、炎症の起こった網膜が破壊されるため、炎症が反応すると徐々に視力が低下し、視野が狭くなります。

網膜の炎症を繰り返すと、半数近くは10年後に視力が著しく低下します。合併症として白内障と、緑内障、黄斑変性、視神経萎縮などを起こすことがあります。

ベーチェット病は全身疾患なので、アフタ性口内炎、皮膚の様々な症状、関節炎、胃腸症状、脳や脊髄の異常、血管の異常、肺・泌尿器の異常などを起こすことがります。

ベーチェット病の治療

完治することは今のところできませんが、ある程度まで症状をコントロールする治療を行います。
コルヒチン、シクロスポリンなどの免疫抑制剤、ステロイド剤、レミケードなどの生物製剤などが使われます。

原田病

原田病とは

全身にあるメラニン色素をもった細胞がリンパ球によって破壊される病気です。メラニン色素のあるぶどう膜、毛髪、皮膚、耳、脳の髄膜などに症状が出てきます。

この病気は遺伝的要素から発病しますが、実際に発病するのはごく一部です。

原田病が眼に起こす症状

ほとんどの場合、両目同時に発症します。眼の症状の前に、発熱・頭痛、倦怠感などのかぜ症状が先に現れます。

発症初期には網膜と脈絡膜との間に水がたまって網膜剥離が起こるため、眼がかすんだり、見えにくくなったり、ものが歪んで見えたりします。

全身症状としては、初期には頭痛、倦怠感、めまいや耳鳴り、難聴、髪の毛をさわるとビリビリするなどの症状を起こすことがあり、慢性的には髪の脱毛、白髪、皮膚の白斑を起こすことがあります。

原田病の治療

点眼薬を使いますが、それだけでは不十分な場合が少なくないため、ステロイド剤の大量点滴投与が一般的ですが、再発、再燃がよく起こります。

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2015年3月2日月曜日

糖尿病網膜症 視力が落ちてかすむ

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糖尿病網膜症とは

糖尿病が原因となって網膜に起こる障害です。

糖尿病になると、血液中のブドウ糖が過剰になり、血液の粘性が高まります。すると血液の流れが悪くなり、詰まりやすくなって眼や腎臓をはじめ全身のいたるところにトラブルを引き起こします。

なお、糖尿病の3大合併症といわれているのは、網膜症、腎症、神経障害です。


糖尿病網膜症が起こる仕組み

第1段階「単純網膜症

網膜には無数に細かい血管が張り巡らせていますが、糖尿病になると血管がつありやすくなるため、酸素や栄養が届かなくなります。この段階は単純網膜症という初期段階で、毛細血管の一部がこぶのように腫れる毛細血管瘤、点状・斑状出血、血管から血液成分が染み出てできる硬性白斑などが現れます。

この段階で自覚症状はありませんが、ものを見る中心部の黄斑部に病変が及ぶと、かすみがひどくなったり、ものが歪んで見えたりして、視力が低下することがあります。

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第2段階「前増殖網膜症

さらに進行していくと、網膜の細い血管が詰まって、網膜の一部に虚血状態が生じます。
そして増殖網膜症へ移行する危険な状態になります。

出血や硬性白斑が増えて、虚血部分に軟性白斑、血管が拡張するなどの血管異常などが現れます。自覚症状は黄斑部に及ばなければあまりありません。

第3段階「増殖網膜症

さらに進行すると、網膜の虚血を補うために、網膜に新生血管が発生して、硝子体へと伸びていきます。この新生血管が発生した状態が増殖網膜症です。

新生血管はとても脆く、破れやすく、硝子体出血を起こします。また、新生血管とともに増殖膜が形成され、この膜が収縮するともう泣くが引っ張られて網膜剥離を起こします。

硝子体出血や網膜剥離が起こると、飛蚊症や視力低下などの症状が現れ、放置しておくともうなく剥離や緑内障などを原因として失明してしまうことがあります。


糖尿病網膜症治療法

血糖コントロール

糖尿病網膜症の治療の基本です。

薬物療法

止血薬、血管拡張薬、循環改善薬などの投与がありますが、確実に有効は薬品はありません。

網膜光凝固(レーザー治療)

血管の障害で起きたむくみを軽減し、新たな出血や緑内障などの重篤な合併症を抑えるのに効果があるとされます。

ただ、糖尿病の長い経過の中での改善や進行予防を目指したものであり、短期的に視力が回復するとは限りません。

硝子体手術(レーザー治療)

硝子体出血や網膜剥離が起きた場合には、硝子体手術が行われます。この手術や特殊な器具を眼内に差し込んで、手術用顕微鏡で確認しながら混濁した硝子体を切除し、増殖膜を切除して、はがれた網膜を復位させる手術です。

ただ、手術の目的は悪化を抑えて失明するのを防ぐことなので、手術が成功しても、それほど視力が回復しない場合があります。

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2015年3月1日日曜日

黄斑円孔 見たいところが見えない、見にくい

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黄斑円孔とは

網膜の中心部である黄斑に穴が開く病気です。

中年の女性に多く「見ようとするところが見えない」「見ようとするところがくちゃぐちゃして見えにくい」などの自覚症状があります。

通常は両目で見ていることから以上に気づかず、たまたま片目で見て気づく場合が多いようです。

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黄斑円孔の原因

特発性(原因不明)、強度近視に伴うもの、外傷性、続発性(原因となる疾患があるもの)に分けれれますが、一般的に黄斑円孔は続発性をさします。

穴が開く仕組みは、眼内の硝子体が加齢に伴って液化・収縮し、硝子体と比較的強くくっついている網膜の黄斑部が引っ張られることで穴が開くといわれています。

経過とともに視力は経過して、円孔は拡大しますが、特殊なケース以外は失明はしません。

黄斑円孔の治療

手術を行うことになります。円孔が小さいと自然にふさがる場合はありますが、レアケースです。

一度の手術で円孔が閉鎖する場合が多いですが、再手術が必要になる場合があります。発症から期間をおかないうちに手術することが望ましいといわれています。

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網膜上膜形成症 視力が落ちたり歪んで見える

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網膜上膜形成症とは

網膜の上に何らかの原因で膜が形成される疾患です。
特に、ものを見るときに重要である網膜の中心部「黄斑」部分に多く尾子よります。

原因としては眼内の炎症(ぶどう膜炎)、糖尿病網膜症などの網膜血管病変、網膜裂肛や網膜剥離など、ほかの疾患に引き続いて起こる場合(続発性)と、はっきりした原因がない場合(特発性)とがあります。

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網膜上膜形成症が起こる仕組み

網膜上に形成される膜が厚くなってくると、網膜へ十分な光が届きにくくなり、また、上膜が強く収縮して網膜をけん引して視細胞の配列を乱したり、視細胞を障害したりすると、ものが歪んで見えたり、視力が低下したりします。

しかし、視力の障害は軽微なので、ほとんど症状がないこともたびたびあります。

網膜上膜形成症の治療

視力の低下や歪んで見えたりしないなど、自覚症状がない場合には治療の必要がありませんが、症状が出て進行してくるような場合は治療を行うことになります。特に、網膜剥離術後などに続発する網膜上膜は、進行が早いことから、治療することが多くなります。

治療法は、眼内に直接器具を挿入して、上膜を剥離して除去する硝子体手術を行います。治療により多くの症例では改善するものの、もとのように見えるとは限らず、歪んで見える症状は残存することが多いようです。

また発症からかなり時間がたってから手術した場合はあまり症状が改善しない場合があります。視細胞はいったん障害されると、完全にもとには戻りにくいからです。

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2015年2月27日金曜日

加齢黄斑変性 視野の真ん中が見えない

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加齢黄斑変性の原因

網膜の中心部を黄斑といい、ものを見る上で非常に重要な部分です。この部分が加齢などにより障害されて、見ようとするものが見えなくなって視力が低下する病気が「加齢黄斑変性」です。

黄斑に新しい血管が発生し、むくみや出血を起こす進行性の早い「滲出型」と、加齢に伴って老廃物が築盛し、徐々に萎縮していく「萎縮型」があります。萎縮型から滲出型に移行することもあります。

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老化と関連している

60歳以上に多い病気というこから、老化と関わり合いがあります。
また、白人に多いことから、紫外線が原因と言われたり、食生活が原因とも言われているほか、アメリカの臨床研究では、喫煙者に多く発生するという報告もあるようです。
ストレスなどで誘発される活性酸素も原因と言われています。

加齢黄斑変性の症状

見ようとする者の真ん中あたりがかすんだり、ぼやけたり、歪んで見えたり、黒くなって見えなくなったりして、視力が低下します。

加齢黄斑変性の治療法

滲出型の場合は、レーザー光凝固による直接凝固をすることで病気の進行を止められる場合があります。現在は、新生血管阻害剤の眼内への直接投与が主流になってきています。
このほか、抗酸化ビタミン(ビタミンC,Eなど)やミネラルを含む食品、サプリメントの摂取も進行予防に有効であるという海外の研究報告もあります。

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網膜色素変性症 暗いところで見えにくい

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網膜式性変性症とは

眼球の奥にある網膜の視細胞に異常をきたす、遺伝性、進行性の病気です。厚生労働省の難病に指定されています。

視細胞には大きく分けて2種類の細胞があり、主に暗いところでものの見え方や視野の広さなどに関係する杆体細胞と、主に中心の視力や色覚などに関係する錐体細胞があります。

網膜色素変性症では、杆体細胞の障害が多く、最初に暗いところでものが見えにくくなったりします。そして、病気の進行とともに視力が低下します。

網膜色素変性症は、視細胞や網膜色素上肢細胞に働いている遺伝子の以上によって起こるとされています。

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網膜式性変性症の初期症状

一般的な初期症状は暗いところでものが見えにくくなる夜盲症です。人にぶつかるようになったり、野球などで夕方になるとボールを見失いやすくなったりして気づいたりします。

視野の異常や視力低下、色覚異常はこの後で出てくことが多いです。

網膜式性変性症の進行の速さ

進行や重症度には個人差があります。
30歳代で視機能がかなり低下する場合があれば、70歳代でも良好な視力を保っている場合もあります。
多くの場合は永池以下の後に視力が低下しますが、失明してしまうことはあまりありません。

網膜式性変性症の治療法

現在のところ、網膜の機能をもとに戻したり進行を止めたりする治療法はなく、対症療法として、遮光眼鏡の使用、ビタミンA、ルテインやそのエステル体、DHAの内服や補完治療などになります。

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2015年2月26日木曜日

網膜剥離 光るものや蚊が飛ぶのが見える

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網膜剥離とは

眼球の奥には膜があり、これを網膜といいます。
眼球の手前には水晶体があり、水晶体と網膜の間には硝子体という透明なゼリー状のものがあります。

網膜は硝子体によって眼球の奥の壁である眼底にぴったりと押しつけらていますが、何らかの原因で網膜が眼底からはがれた状態が網膜剥離です。

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網膜剥離の原因

① 裂孔原性網膜剥離

硝子体が加齢とともに縮んで、網膜とのの間に隙間ができます。この隙間に液化した硝子体がたまり、焼死体が網膜を引っ張る力が強まることが原因で網膜に穴が開き、やがて網膜剥離につながるというものです。
最も頻度が高い網膜剥離です。

② 牽引性網膜剥離

糖尿病などでおこります。

③ 滲出性網膜剥離

ぶどう膜炎など目の病気から起こります。

網膜剥離の初期症状

初期には飛蚊症があらわれ、目の前に黒いごまを散らしたようなものが見えたり、蚊が飛んでいるように感じたり、髪がぶら下がっているように見えることがあります。また、実際にはない光が見える光視症がおこることもあります。

網膜剥離が進行すると、視野の一部が欠けていることに気づくようになり、網膜の中心部が剥離した場合は視力の低下やゆがみを自覚します。

網膜剥離の治療

裂孔性網膜剥離は薬物での治療はできず、手術になります。

① レーザー治療

網膜に穴ができたばかりで剥離に至っていない場合は、レーザー治療で穴の周囲の網膜を凝固させることで剥離を予防できる場合があります。

② 手術による治療

冷凍凝固などで眼球の外側の壁である強膜から網膜の穴の周囲を凝固させ、穴の部分に相当する強膜にシリコン樹脂を当てて、内側に向けて隆起させ、剥離した網膜にくっつけます。

穴が大きい場合や穴が多数ある場合、穴が奥の方にあってシリコンを当てにくい場合において、硝子体の内側に引っ張る力が強い場合は、眼球内に器具を入れて眼球の内側から直接網膜を引っ張っている硝子体をできるだけ切除し、眼球内にガスを入れて網膜を内側からつける硝子体手術を行います。

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2015年2月25日水曜日

目の前に何か飛ぶ「飛蚊症

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飛蚊症とは

目の前に黒いものが見える。まばたきしてもまだ見えるというように、目の前に蚊が飛んでいるように見えることを飛蚊症(ひぶんしょう)といいます。

多くは心配ないものですが、網膜剥離の元になる網膜裂肛ができたり、眼の中に出血しているなど大病につながるものもあります。

飛蚊症の仕組みと症状

眼球の水晶体の後ろには硝子体になっています。この硝子体は液状で透明な部分ですが、濁りもあります。この濁りの部分が網膜に陰として映りこみ、頭や眼の動きにつれて影が動くいて飛蚊症がおこります。
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天気の良い日に空を見たときや白い壁を見たときなど光が眼に十分には行った時にわかりやすくなります。また、飛蚊症は一時的に消えることもありますが、再び症状が現れます。

中年過ぎの飛蚊症の原因で多いのは、後部硝子体剥離といって、網膜にぴったりと接近していた焼死体が縮み、前方に移動して網膜からはなれた状態になります。これは強度の近視の人は早く起きることがありますが、普通は50~60歳代に起きることが多いといわれています。

飛蚊症が大病の初期症状の場合

① 網膜剥離

後部硝子体剥離に伴って網膜に穴が開く場合い飛蚊症が出現することがあります。暗いところで非狩りが見える症状がでることもあります。
放置すると網膜剥離になり手術が必要になりますが、早期に見つけて治療をすれば網膜剥離を防ぐことが可能です。

② 硝子体出血

眼の中で出血して硝子体に入り込むと飛蚊症が出現します。出血の原因は網膜に穴が開いたときや、網膜の血管に異常があって眼底出血があった時などです。高血圧や糖尿病の場合は注意が必要です。

③ ぶどう膜炎

ぶどう膜に炎症ができると視野全体のかすみや目の充血、痛みを伴います。この原因は糖尿病、リウマチなどの膠原病、結核、梅毒などの病気がある場合もあります。再発することもある病気で、適切な治療をしないと失明することもあります。
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2015年2月24日火曜日

見える範囲が狭くなる緑内障

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緑内障とは

料宮内省とは、視神経が障害され位、徐々に見える範囲(視野)が狭くなる病気です。
初期には自覚症状が全くないことがほとんどです。病気の進行はゆっくりで、視野も徐々に狭くなることから、気が付いたときにはかなり進行していることもあります。

一度障害となった視神経は元に戻らず、放置すると失明に至る危険性もあることから、早期の治療が大切な病気です。

緑内障の種類

① 原発開放隅角緑内障

隅角(眼球内を循環する房水が最後に通るところ)は開いて広くなっているが、繊維柱帯が目詰まりを起こし、房水が十分に排出されないために眼圧が上昇し緑内障になるというものです。
眼圧が症状範囲を超えて上昇する、狭義の原発開放隅角緑内障と、眼圧が正常範囲内だが神経が障害される市場眼圧緑内障に分けられます。

② 原発閉塞角緑内障

隅角が狭いために房水が十分に排出されず、眼圧が上昇して緑内障になるというものです。
急性型と慢性型があり、急性型は急激に眼圧が上昇し、霧視、充血、眼痛、頭痛、吐き気などの症状を起こします。慢性型は徐々に眼圧が上昇し、自覚症状を伴わず視野がだんだんとかけていきます。

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③ 続発緑内障

緑内障以外の眼疾患、白内障や硝子体手術後、副腎皮質ホルモン(ステロイド)などの薬剤、全身疾患(糖尿病やアトピー)、外傷などが原因で二次的に眼圧が上昇し、視神経が障害され、緑内障になるものです。

④ 発達緑内障

先天的な隅角の以上により、眼圧が上昇して緑内障になるものです。

緑内障の治療

他の病気や外傷などが原因である「続発緑内障」の場合は、元の病気の治療が最優先です。
その他の緑内障の場合は、眼圧を低下させて視野障害の進行を防止・遅延させます。そのための方法として、薬物療法、レーザー療法、手術があります。

① 薬物療法

1種類の点眼薬から開始し、効果が不十分な場合は薬を変更したり追加したりします。
内服薬を服用することもあります。また点眼薬の種類によっていくつかの副作用を伴う場合があります。

② レーザー治療

房水の流出を促進するために、眼図まりを起こしている線維柱帯にレーザーを照射します。

③ 手術

①、②でも十分に眼圧が下がらない場合は房水の流出路を新たに作るための手術を行います。この方法は眼圧低下の効果はよいものの、低眼圧、脈絡膜剥離などの合併症を伴う場合があります。

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こちらにも緑内障情報「緑内障の症状と治療」(サイト名「自己解決のヒント」)

白内障 目がかすむ まぶしい

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白内障とは

ひとみ(瞳孔)の後ろにある水晶体が白く濁ってくる病気です。
濁りが増すにつれて視力は少しずつ弱くなってきますが、充血したり痛んだりすることはありません。他の人にうつることもありません。

白内障の原因

白内障の原因は、生まれつきのもの、外傷によるもの、糖尿病などの他の全身的病気によるもの、ブドウ膜炎のような眼の病気から起こるものなどがありますが、最も多いのは老人性白内障で、中年過ぎの老化現象として起こります。

老人性白内障が起こる仕組みは、アミノ酸の代謝が正常に行われにくくなり、そのために生じた物質が水晶体のたんぱく質を変化させることから、水晶体が白く濁ってくるのではないかと考えられています。

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白内障の症状

白内障の始めの症状は、本を読んでいると眼が疲れる、人の顔がぼんやりかすむ、天気の良い日にまぶしく感じるなどです。

病気が進行すると視力が低下していき、ものがはっきり見えなくなり、さらに進むと目の前に出した指の数もわからなくなり、しまいには明るさしかわからなくなります。なお、病気の進み方は人により異なります。

白内障の治療

白内障の初期には、進行を抑えるために点眼薬、内服薬を用いますが、日常生活に支障が出る場合は手術をします。濁った水晶体を除去して、これに代わるレンズを移植します。

このように、白内障は手術で視力を取り戻すことができますが、網膜などに白内障以外の病気があると術後の視力の改善が思わしくない場合があります。

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円錐角膜 ゆがんで見える、近視が急に進む

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円錐角膜とは

角膜が前方へ円錐状に突出して、角膜の中央部あたりがだんだん薄くなっていく病気です。

発症率は1千~2千人に1人といわれており、思春期頃に多く発症し、通常は両目に症状が現れます。
原因はよくわかっていませんが、アトピー性皮膚炎がある人に多く、目をよくこする人は進行が早いようです。

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円錐角膜の症状

角膜の形が変形して不正乱視が生じます。
はじめは視力低下、ものが歪んで見えるなどの症状があります。急に近視や乱視が進んで見つかることもあります。
進行すると、コンタクトレンズや眼鏡でも矯正できなくなります。

円錐角膜の治療法

治療は、円錐角膜用や特注のハードコンタクトレンズを装用します。このコンタクトレンズは、角膜の形が不整なため作るのが難しく、高い技術が必要となります。このため、コンタクトレンズの専門医がいて、円錐角膜用のコンタクトレンズを取り扱っている医療機関に行く必要があります。

重症になると角膜が白く濁ります。ここまで進行すると、全層角膜移植術を行う必要があります。

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2015年2月23日月曜日

ドライアイの原因と治療

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ドライアイとは

眼の表面に涙が少なくなり、眼を正常な状態に保つ涙の役割が果たせなくなることにより、眼に色々な悪い影響が出てくるほか、重症になると眼の表面に傷ができ、いろいろな症状の原因になります。

涙の役割

① 眼の乾燥を防ぐ
② 細菌やウイルスなどの殺菌作用を持つ
③ 角膜に栄養を補給する

ドライアイが疑われる症状

・眼が痛い、目やにが出る、涙が出る、眼がごろごろする、かすんで見える、眼が重たい感じがする、眼がかゆい、眼が渇いた感じがする、光を見るとまぶしい、眼に不快感がある、眼が充血する

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ドライアイのタイプ

① 涙液減少型ドライアイ

涙腺からの涙の分泌が少ない状態です。角膜の上皮が障害され角膜炎を起こします。ストレスやホルモンバランスの崩れが涙現象の原因と考えられています。
眼だけではなく、全身の分泌機能の障害をきたす「シューグレン症候群」という病気もあります。

② 涙液蒸発亢進型ドライアイ

涙が角膜にしっかりと載らないために角膜から涙がすぐに蒸発してしまう状態です。原因はマイボーム腺※の働きの低下や、粘液を出す細胞の障害などがあります。
このほか、まばたきがうまくできない、コンタクトレンズをつけている、アレルギー性結膜炎、ビタミンA不足、いろんな目薬を使っていることなども原因としてあげられます。

長時間パソコン画面を見続ける作業、湿度環境、風なども影響があります。

※まつ毛の生え際の内側に、整列している小さな点のようなもので、油分を分泌し、涙の成分に油分を加え、油膜を作って涙の蒸発を防いでいる。

③ その他

リウマチ、膠原病、糖尿病、肝炎などの全身の病気が原因だったり、骨髄移植後、レーシック手術後などに発症することもあります。

ドライアイの治療

基本的な取り組みは、湿度が下がりすぎないようにする、まばたきをする、ドライアイ用の眼鏡をかける、などがあり、ドライアイの予防法といえるものになります。
このほか、タイプ別の治療法は次のとおりです。

① 涙液減少型ドライアイの治療

涙に似た点眼薬を使い不足した涙を補います。この方法で不十分な場合は、涙が鼻のほうに流れる「涙点」に「涙点プラグ」を挿入して、涙がとどまるようにします。

② 涙液蒸発亢進型ドライアイの治療

涙に似た点眼薬を使い不足した涙を補うことが基本的な治療法ですが、他の病気が原因になっている場合は点眼薬だけでは改善しないことが多いため、他の病気を改善する取り組みも並行して行う必要があります。

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2015年2月22日日曜日

角膜炎 眼に異物が入って痛い

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角膜炎の原因は2つ

角膜炎は異物や刺激物が飛入による急性角膜炎と、感染症による角膜炎に分けられる。どちらも放置すると視力低下につながる。
「目に何か入った」「急に目が痛くなった」「涙で目が明けられない」など、眼の違和感や痛み、眼のかすみや視力低下を感じた場合は、早めに眼科を受診することが重要である。


異物や刺激物が飛入による急性角膜炎

角膜異物

鉄粉の飛入が最も多く、まばたきするたびに、刺激のある異物感や痛みを主として上まぶたに感じる。
あまり放置すると眼球鉄症といって、炎症がひどくなり角膜が混濁し、視力低下がおこる。
感染を起こすと潰瘍となり、取り返しのつかない視力障害を残す。



角膜科学火傷

酸やアルカリなどの強い刺激のある薬品などが眼に入り、放置すると、角膜の混濁を残し、視力を失うこともある。また、結膜にも障害を残し、眼球前面の機能が失われ、失明に近い状態になることもある。
眼の中に刺激物が入った場合は、その場で早急に水道水で眼を洗うことが肝要である。

紫外線による電気性眼炎も角膜炎の一種である。電気溶接の時に防護メガネなしで火花(紫外線)を見つめたり、晴天のスキー場でサングラスなしで滑走していると、12時間後くらいに眼痛(雪眼炎)がおこることがある。この場合も眼科での治療が必要である。

感染症による角膜炎

細菌・真菌感染による角膜潰瘍

コンタクトレンズや突き目、外傷などから細菌が角膜に侵入し、重傷の角膜炎になる。
充血、痛み、視力障碍が起こり、角膜は白く混濁し、放置すると失明する。
ブドウ球菌、肺炎球菌、緑膿菌といった毒素の強い細菌が原因菌となることが多く、点眼治療を行う。入院治療(抗生物質の点滴)が必要な場合もある。

細菌でないものには、カビの一種である真菌の感染がある。木の枝や葉などで突き目をしたことをきっかけに感染する。真菌には重症になる糸状菌や、比較的軽くすむ酵母菌(カンジダ)などがある。
治療は抗真菌剤点眼や角膜掻爬などである。

アカントアメーバ角膜炎

ほとんどが、ソフトコンタクトレンズを不適切に扱うことにより発症する。自由生活アメーバ(アカントアメーバが角膜に感染し、痛み、充血などの症状を伴なう。重症の角膜炎になると治療も難しく、治癒しても視力障碍が残ったり、失明する場合もある。
治療は、角膜掻爬、抗真菌薬の点眼などだが、点滴などの入院治療が必要な場合もある。

ヘルペス角膜炎

ヘルペスはウイルスの一種である。ウイルスは自分自身では増殖できなく、体内に侵入し、細胞の中に取り込まれると、そこで初めて増殖できるようになる。
ヘルペスウイルスはいろいろな病気を発症させるが、角膜に炎症を起こすこともあり、充血、痛みが出てくる。
治療は抗ヘルペス在の点眼や軟膏、内服などがあるが、一度治ったようでも再発することがある病気である。


2015年2月12日木曜日

結膜炎 目の充血、痛み

結膜炎とは

結膜とは、眼球の最も外側を覆っている白い膜で、眼球の表面に沿って奥に伸び、前方から約3分の1で折り返し、上下のまぶたの裏側を形成している部分である。
この部分に起こった炎症を結膜炎といい、赤く充血した状態になって、違和感や軽度の痛みなどが出てくる。



結膜炎の原因・症状・治療等

感染によるもの、アレルギーによるもの、単なる刺激によるもの等がある。

感染による結膜炎の特徴

・様々な細菌が結膜に感染し、急性の結膜炎を起こす。
・7才以下の小児に多いが、高齢者や体力の弱まっている成人にも見られることがある。
・症状としては、多量の粘液性の目やにが出て眼が開かないほどになることがある。充血だけの場合もある
・原因菌は、インフルエンザ菌、レンサ球菌などが多い
・治療法は抗生物質の点眼で1週間以内に治癒するが、これで治らない場合は特殊な細菌が原因になっている場合がある。



季節性の結膜炎で、スギ(ヒノキ)花粉によるものは2~4月、ハンノキは12月から翌年2月に多いほか、ヨモギ、ブタクサ、カモガヤなど、50種類以上の花粉がアレルゲンとなる。(花粉症の発症時期はこちら
治療は、発症時期に抗アレルギー剤を点眼することで、ほとんどが治癒する。

通年性アレルギー性結膜炎

1年を通して繰り返し症状が起こるものであり、ダニなどのハウスダストがアレルゲンになったり、花粉だったりと、複数のアレルゲンに過敏であることが特徴である。治療は、なかなか治癒しない場合にはステロイド点眼を行うことがある。

難治性アレルギー性結膜炎

通年性アレルギー性結膜炎が重症化したもの。難治性の乳頭増殖が発症し、まぶたの裏に大きな乳頭増殖を発症する「春季カタル」という非常に重篤な結膜炎になることがある。
角膜潰瘍による視力の低下、眼痛、分泌物が多くなるなど様々な症状が起こる。
小学校高学年頃から見られるようになり、治療は、ステロイド、免疫抑制剤の点眼を、症状が落ち着く中学後半頃まで行うことがある。

その他

アトピー性角結膜炎は、先天性アトピー性体質でアトピー性皮膚炎などを持つ小児に発症することがあり、難治性である。治療にはステロイド性点眼のほか、抗生物質の点眼などを行う。


2015年2月6日金曜日

片側顔面けいれんについて

片側顔面痙攣の特徴

片側顔面痙攣は、片側の眼をつぶるための筋肉、笑うときに収縮する筋肉、口の開閉に関わる筋肉が勝手に収縮したり、収縮と弛緩を繰り返してピクピクしたりする症状である。



顔つきの特徴
痙攣しているときは、左右非対称な顔つきになる。

年齢と男女比
40歳以上に多く、女性が男性の2倍の比率である。

症状の進み方
初期の頃は、眼の周囲だけ気になるが、次第に片側の顔全体の筋肉の勝手な運動が出るようになる。

症状が出るタイミング
この症状は、話したり、笑ったり、食べたり、目や口を動かしているときに出やすいほか、緊張すると出る場合もある。また、耳鳴りをともなう例もある。



片側顔面けいれんの原因

神経が血管等にぶつかっている
片側の顔面神経が脳幹から出てくるところで動脈とぶつかり、興奮させられている場合が多く見られる。
顔面神経は、筋肉の運動を支配する運動神経であり、痛みの神経とは無関係なので痛みはない。
他の原因として、顔面神経が動脈ではなく、腫瘍や血管瘤にぶつかっている場合もあるため、片側顔面けいれんが起こったら、画像検査をした方がよいといわれる。

このほか、顔面神経麻痺の治りかけに起こる症例もある。両側にけいれんが起こることは非常にまれである。

片側顔面けいれんの治療

手術
神経と血管がぶつからないようにする脳外科手術が最も根治的な治療であるが、高齢者の場合はリスクが高くあまり進められない。

注射
最近は勝手に動く筋肉にボトックス(ボツリヌス菌が産生する毒素を精製した製剤。注射すると筋肉の痙攣や緊張を抑える働きがある。)を少量注射する方法が主流になりつつある。この効果は3~4ヶ月である。


2015年2月5日木曜日

眼瞼痙攣 目が開けにくい、まぶしい

眼瞼痙攣の症状 

眼瞼痙攣は、眼の開け閉めが自由にできなくなり、まばたきが増えたりする状態である。
自覚症状として、まぶしさを感じる、目が渇いた感じがする、両目や片目が自然と閉じてしまう、といったものがある。
よくドライアイと間違えられ、ドライアイの治療をするがよくならないのが特徴である。

重症例の場合、目の周囲だけでなく、口輪筋など口の開閉にかかる筋や、笑筋、舌、咽頭、頸部筋までに及ぶ不随意運動が見られる。


特徴的な症状

重症の眼瞼痙攣では、上下の眼瞼が固く閉じられ、無理に手で開けようとしても容易に開かない。眉根筋、眉毛皺縮筋がれん縮し、眉根には横路は、眉間には深い縦じわの入った特有な顔になる。
軽症例、中等症例は症状はあまり変わらないので医師も見落としがちだが、本人は目の不快感が絶えず、心理的ストレスが生じたり、自動車などの運転に支障をきたしたり、歩行するにもぶつかりやすくなるのが特徴である。


眼瞼痙攣の原因 

眼瞼痙攣は、局所ジストニアという神経系の病気である。
何らかの原因で脳の神経回路が不調になるのだが、発症のきっかけとして、心理的ストレス、遺伝的素因、加齢、薬物の使用、化学物質への暴露などがあると考えられている。
特に目立つのは薬物性眼瞼痙攣で、向精神薬、血管収斂薬、抗ヒスタミン薬が原因や区部としてあげられる。
パーキンソン病などの病気による場合もある。

男女比は女性が男性の3倍程度多い。
年齢は40~50歳以上に見られ、日本には20~60万人の患者がいると思われる。 

眼精痙攣の自己診断

次の項目で1つあればこの病気の可能性が、3つあればほぼ間違いないと思われる。

  • まばたきが多い 
  • 外に出たとき、または屋内でもまぶしい 
  • 眼を開いていられない 
  • 眼が渇く、ショボショボする、痛いなど、眼のことがいつも気になる
  • 人ごみで人や物にぶつかったりぶつかりそうになる
  • 電柱や立木、停車中の車などにぶつかったことがある
  • 戸外の太陽や風、階段昇降が苦手で、外出を避けている。 基幹を感じるので車や自転車の運転をしなくなった
  • 手を使って眼を開けなければならないことがある
  • 片目をつぶってしまう

治療方法

薬物性眼瞼痙攣であれば、きっかけになっている薬物を可能な限り減らしたり、中止する。
化学物質にさらされているなら、その環境から遮断するようにする。

症状を改善するための対症治療のうち、最も多いのがボツリヌス菌が産出する麻薬効果のある物質から作った薬を目の周囲の皮膚に少量注射して、目をつぶる力を弱める方法である。1回の治療で2~4か月持続する。

その他、支え棒を付けたクラッチ眼鏡、まぶたの手術、薬物療法があるが、補助的な治療法である。

抑うつ感を伴う場合は小じょぐあ悪化しやすいので、患者自身で精神的なケアが必要である。


2015年2月4日水曜日

眼が開けにくい眼瞼下垂の原因と治療法

眼瞼下垂は病名ではなく、体の症状を表す言葉である。
健康な眼では、まぶたは上眼瞼挙筋とミュラー筋という2つの筋肉によって持ち上げられ、さらに眉毛の上にある前頭筋が補助的に働いて、眼が開いた状態になる。




これらの筋肉が何らかの原因により妨げられて、眼を開くのが困難になり、まぶたが下がる、重いなどの状態になるのが眼瞼下垂である。

眼瞼下垂の原因

動眼神経麻痺、重症筋無力症、眼筋ミオパチー、モルネル症候群がある。
このうち、動眼神経麻痺は、上眼瞼挙筋を動かす動眼神経に起こる病変であり、これにより眼瞼下垂が生じる。動眼神経は眼球を動かす筋肉の一部も上持つため、眼球の一の異常や、ものが2つに見える複視が生じる。


眼瞼下垂の種類

先天性眼瞼下垂

程度はいろいろだが、片方だけ特に下垂がひどく、瞳孔が隠れる状態の場合は早期手術が必要になる場合がある。

コンタクトレンズ性眼瞼下垂

多くは挙筋腱膜やミュラー筋のゆるみが原因。
コンタクトはハード・ソフトにかかわらず、コンタクトを長く使用している人に出現する場合がある。太平は片方の下垂である。
コンタクトを中止すると1か月前後でかなり回復するが、左右差が気になる場合は手術することになる。

術後性眼瞼下垂

多くは挙筋腱膜やミュラー筋のゆるみが原因。
比較的長い時間の手術を受けたときや、外傷によって瞼板に付着している挙筋の腱膜が筋肉ごと外れたときに起こる。

加齢性眼瞼下垂

多くは挙筋腱膜やミュラー筋のゆるみが原因。
おおむね50歳を過ぎたころから生じる。腱膜や筋のたるみだけでなく、皮膚の弛みが主因になることもある。頭痛や肩こりの原因になることもあり、手術が行われることもある。

眼瞼下垂の治療

「ある種の病気」の合併症として生じた眼瞼下垂の場合は、他の眼瞼下垂と同様の手術をしてもほとんど効果がない場合がある。
眼瞼下垂にはいろいろな原因があり、手術が有効なものやそうでないものがあるため、まずは眼科で原因を確かめ、対応を検討することが必要である。

ある種の病気の例

  • 上眼瞼に腫瘍ができたとき
  • 甲状腺眼症の場合のように脂肪組織が増大した場合
  • 顔面神経麻痺の後遺症
  • 顔面けいれん
  • 本態性けいれん(眼を開くための脳からの指令がうまく伝わらない病気)



2015年2月3日火曜日

心因性視覚障害の特徴、原因、治療等について

心因性視覚障害とは

主に8歳から12歳の女児にみられ、発症年齢は、8歳頃がピークというデータがある。多くは比較的急速に両目の視力が落ちたというものである。
心因性視覚障害は、これまではヒステリー盲、ヒステリー弱視、心因性弱視などと呼ばれてきたが、最近では心因性視覚障害、転換型視覚障害と呼ばれることが多い。




検査では正常なのに「見えない」

視力は0.1前後のことが多く、メガネを使っても視力が改善されないことが多い。しかし、角膜、水晶体、硝子体、網膜、眼球運動、瞳孔運動などの検査でもすべて正常である。
中和法という特殊な方法で、じっくりと時間をかけて視力検査をすると、視力が1.2まで出ることがかなりある。
また、視力が診察日ごとに変わったり視力検査時と日常の見え方が一致しない場合も多い。

これらに加えて、視野の変化も認められる。心因性視覚障害の子どもは、視野検査中にどんどん視野が狭くなってしまう「螺旋状視野」、あるいは視野が細い管のように狭くなってしまう「管状視野」などを示すことが多くある。このため心因性視覚障害では、視野の検査も診断の重要な手がかりになる。




最大の原因はストレス

心因性視覚障害の原因は、何らかのストレスの存在が考えられる。ストレスを処理することができない場合に、目が見えない、周りが暗い、耳が聞こえない、足が痛い、おなかが痛い、というような一見ストレスと関係のない症状に転化してしまうものと考えられている。

子どもにおけるストレスは何か。小学校の問題、友達関係、家庭内の問題、塾の問題などが多く、内容は多種多様である。

小学校の問題

心因性視覚障害の発症のピークは8歳であるが、小学校3年生に当たり、勉強や教室での規律などにストレスを感じやすくなると考えられる。

友達問題

友達は小学校でも放課後でもかかわってくる。その傾向は女子に多いと思われる。

家庭の問題

両親の問題のほか、共働きで十分に子どもと一緒の時間を過ごせなかったり、受験を控えた兄弟がいたり、赤ちゃんにつきっきりだったり、病気の家族がいたりして、親が十分に子どもに接してあげることができない場合などもストレスの要因になる場合がある。

塾の問題

学校が終わってから塾や稽古ごとに通うことが多いなど、子どもが疲れ切ってしまうことなどが原因になる場合がある。

心因性視覚障害の対処方法

原因がストレスにあることが考えられるため

  • 保護者はこの疾患について十分理解する。
  • 保護者はじっくり子どもと話をする。
  • 担任の先生や保険の先生と連絡をとる。
  • メガネ願望の子には弱い度の入った「メガネをかけさせる。
回復までは多くの場合、6~12か月ほどで解消されるが、2年近くかかっても解消しない場合は、小児精神科、小児科、臨床心理士などとの連携が必要。


2015年2月2日月曜日

目の疲れがとれない・眼精疲労の原因・症状・治療

眼精疲労の症状


眼の疲労感は、一晩ゆっくり休めば治るものだが、眼精疲労はそれだけでは治らない病的な状態をいい、次のような症状を伴う。


眼に関する症状眼疲労感、ぼやけ、かすみ、しょぼしょぼする、目やにが出る、充血、目の奥や周囲の痛み
眼以外の症状頭痛、肩こり、吐き気、倦怠感、食欲減退、抑うつ感

眼精疲労の原因


不適切な眼やメガネの使用眼の病気など、様々なものがあるが、重大な目の病気が潜んでいることもある。
視力低下視野異常など、見え方に問題がある病気や、結膜炎、ドライアイなど、目やその周囲に不快感がある場合に、眼精疲労になりやすい。この場合、その疾患の治療が先決である。また、パソコン作業などで眼を酷使せず、休ませるようにすることが大切である。

斜視や両眼視異常等、目の安静の位置が外側にある人の場合、近くを見る時に目を内側に寄せる力を働かせるため、疲れが起こりやすくなる。また、左右の屈折に大きな差があったり、片方の視力が落ちたりすると、左右の目で物を見る時のバランスが崩れて、高度の眼精疲労になる。


眼精疲労と心の問題


眼精疲労は心の問題、精神的な部分とも深い関係がある。
眼球とその周囲の不具合を中心に、視覚環境、精神的要素が絡んで、個々人の許容範囲を超えると眼精疲労が起こる。うつ病や神経症、薬物によっても眼精疲労のように引き起こされることもある。

眼精疲労の予防


予防には正しいメガネやコンタクトレンズを使うことが必要である。
ほとんどの日本人は近視か遠視の状態で、これに乱視が加わっているため、正しく矯正しないと眼精疲労が出やすくなる。
また、40歳を過ぎたころからほとんどの人がピントを合わせる能力が衰える老眼の状態になっていくため、メガネの矯正が必要になる。レーシックという選択肢もある。

眼精疲労と間違いやすい病気


眼瞼痙攣:脳の奥の基底核という場所を中心とした、瞬き瞼の開閉を司る神経回路の故障によるもの。症状は、まぶしく見える、眼が疲れる、眼が痛い、眼をつぶってしまう、まばたきが多い、眼の違和感など様々な症状が現れ、強い眼精疲労と間違われることがある。




2015年2月1日日曜日

老眼の年齢・原因・症状等について

眼の老化現象が老眼の始まり

年齢とともに徐々に眼にも老化現象はあらわれる。投稿は見えても近くが見えにくい状態が朗厳であり、加齢により近くを見る力が低下してくることを老視という。

老眼の原因

眼おピント合わせは、水晶体自身の弾力性と、毛様体筋の動きにより可能となっている。しかし、年を取ると、水晶体の弾力性の低下、毛様体の動きの鈍化により、近くにピントを合わせることが、だんだん難しくなってくる。無理に見ようとすると、眼精疲労や頭痛などの症状が起こるようになる。

老眼の初期症状

  • 遠くは見えるが近くが見えにくい
  • 読書や手元の仕事を続けると疲れる、肩がこる、頭痛がする
  • 読書が長続きしない
  • 本や新聞は少し離すと読みやすい
  • パソコンの小さな字が見えにくい
  • 携帯電話の字が見えにくい
  • 夕方になると新聞の字が見えにくい
  • 細かい作業を長くしていて遠くに視線を移すと、はっきり見えるまで時間がかかる

老眼の開始年齢

老眼は、早ければ30才代で自覚する人がいるが、多くは40才を過ぎるころから症状が出る。
老眼は誰にでも起こる現象である。

近視の人は老眼になるか

老眼はすべての人に起こるので、近視の人もなるのだが、近くにピントが合う眼なので、ピント合わせの調整が、近眼ではない人より苦労しない。しかし、老眼が進行するといずれは老眼鏡が必要になる。

老眼を自覚した場合

不便な生活を送らないためにも、老眼鏡を使うこと。まずは、眼科で診察を受け、適切なメガネを眼科医の処方により作成する。

老眼鏡の使い方は、必要なときだけ使えばよい。掛けたり外したりを繰り返したとしても、老眼が余計にひどくなることはない。

ただし、70歳くらいまでは進行することから、2年に一度は老眼鏡の度が合っているか調べて、必要に応じて作り替える。

老眼鏡の種類


  • 遠近両用メガネ : 一つのメガネを掛けたまま、遠くも近くも視線を移すだけで見えるメガネ。
  • 中近用メガネ : 手元と1~2m先にある物を見るためのメガネ。
  • 近近用メガネ : 本やパソコンなどの近くの物を見るためのメガネ。


また、「累進多焦点レンズ」という、遠くから手元まで一枚のレンズで連続的に見えるように度数が変化するレンズがある。これには、遠方を重視する設計の「遠近両用レンズ」、中間・近方を重視する「中近レンズ」、そして「近近レンズ」の3タイプがある。 




近視の予防と治療について



近視の状態とは

近くはよく見えるが遠くはぼんやりとよく見えない、かすむ状態を近視という。
遠くのものを見る時、網膜上でピントが合わず、網膜の手前であってしまう状態になっている。

近視には次の種類がある。
  • 屈折性近視:角膜、水晶体の屈折力が強いために起こる。近視の大部分がこれである。
  • 軸性近視:眼球が前後に長いために起こる。遺伝的要素が多いといわれる。
  • 仮性近視(調節緊張):長時間にわたり本、パソコン、ゲーム機などを見続けていることで目の中の調節菌が近くにピントを合わせた状態が続き、水晶体が厚くなった状態が続くことにより、一時的に近視に似た症状になることがある。このような状況が続くと、近眼になることもある。




近視の始まり

屈折性近視は、上記の仮性近視が起こるような状態を続けると起こりやすい。小学校高学年から始まることが多い。黒板の字が見えにくくなったり、夕方など暗いときに物が見えにくくなり、目を細めたりする。

近視の治療

○近視が始まったころ

  • 寝る前に点眼薬をつかう。禁止に向かう力を緩める効果がある。

○眼鏡はいつから使うか

  • 両目の視力が0.7以下になった場合に検討する。
  • なお、眼鏡を作る際は専門医による診断と指示に従う。合わない眼鏡を使うと、頭痛、肩こりが生じ、疲れやすくなり、勉強や仕事に支障をきたすことがある。

○眼鏡をかけ始めたころ

  • 眼鏡の使用は、授業中やテレビを見る時など、必要な時だけ使用すればよい。しかし、近視が進み日常生活に不自由をきたすようになると常時眼鏡をかける必要がある。
  • なお、視力は成長とともに変わっていくことから、眼鏡の度のチェックは定期的に行うべきである。半年に一度は眼科でチェックしたほうが良い。

近視を予防・進ませない方法

○正しい距離を保つ

  • 読書や勉強、パソコン作業の際は正しい姿勢で、本を目から30cm、パソコンは50cmは離す。
  • また、テレビを見る場合は2m以上離れる。

○適切な照明

  • 部屋の照明、机上の照明、両方を使用。
  • テレビは明るい部屋でみる。部屋を暗くしてみない。

○目を休ませる

  • 1時間勉強したら10分休憩し、遠くを見る。
  • パソコンは30分続けたら10分休憩。
  • 十分な睡眠をとる。

軸性近視について

軸性近視は遺伝要素が強く、かなり度の強い眼鏡が必要になる。壮年になっても進行が止まらなく、網膜が引き伸ばされて出血することもある。
急な視力の低下、歪んで見える、飛蚊症などがでたら、すぐに眼科を受診する。