2015年3月7日土曜日

眼が飛び出してくる甲状腺眼症・バセドウ病

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甲状腺眼症とは

甲状腺の異常から引き起こされる目の病気を甲状腺眼症といい、バセドウ病もその一つです。


バセドウ病になると眼が飛び出る理由

甲状腺はのどぼとけの下の気管の前側に位置する、蝶が羽を広げたような形をした組織で、ホルモンを分泌します。

バセドウ病は、甲状腺の機能が異常に亢進する病気で、動悸、いらいら、発汗過多、手指の震え、疲れやすさ、下痢、体重減少の症状に加えて、眼球を動かす筋肉や眼球周囲の脂肪組織が腫れることによって、眼球突出が生じる甲状腺眼症があります。

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その他の甲状腺による眼の症状

眼が重い、眼が開けにくい、眼がはれぼったい、二重瞼の線が変化した、眼が疲れる等、様々な症状があります。これらの症状は甲状腺に限らず現れることがあるので、検査するまで甲状腺との関連が気づかれないことが少なくありません。


どの年齢層にもみられる

甲状腺眼症はどの年齢層でも見られます甲状腺機能が亢進した例の6割以上で合併するとされています。女性に多く見られますが、男性の場合は重症やしやすいのが特徴です。

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ぶどう膜炎 眼が赤い 痛い まぶしい

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ぶどう膜炎の症状

ぶどう膜炎は虹彩、毛様体、脈絡膜の三つをまとめた呼び名です。
これらの組織の起こる炎症をぶどう膜炎です。

その症状は、結膜(白目)が充血する、眼が痛い、まぶしい、かすむ、目の前に黒い影が見える(飛蚊症)、ものが見えにくい、といったものです。

ぶどう膜炎が起こる原因

感染によるものと、免疫異常によるものに分けられます。

感染によるものは、細菌、真菌(かび)、ウイルス、寄生虫などによって引き起こされます。
免疫異常によるものは、ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病などがあります。

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ぶどう膜炎の原因疾患について

サルコイドーシス

サイコドーシスとは

怪我をしたとき、傷が治るときに出てくる組織を肉芽(にくが)といいます。この肉芽が、怪我でないのにできるのがサルコイドーシスの特徴です。

この疾患は、眼だけでなく、リンパ節、肺、皮膚、骨、肝臓、心臓などにも不必要な炎症の塊(肉芽腫)ができて、色入りな症状を引き起こします。

※ 膠原病、リウマチ、糖尿病、血液疾患、悪性腫瘍などの全身疾患の症状としてでることもあるため、詳しい検査をして原因を調べる必要があります。


サイコドーシスが眼に起こす症状

かすみ目、まぶしい、充血、飛蚊症といった症状があります。
眼の中で炎症が強く起こったり、長い間炎症が続いたりすると、網膜の中心部の黄斑が腫れて網膜が傷害され、緑内障や白内障などを起こすことがあります。

サイコドーシスの治療

重大な合併症を起こすことはあまりありませんが、慢性化することがよくあります。
治療は、ぶどう膜炎や網膜静脈炎が軽いときは、点眼薬だけですが、眼底の炎症が強いとき、視神経に炎症があるとき、硝子体混濁の強いときなどには、ステロイド剤の注射や内服が必要になります。

ベーチェット病

ベーチェット病の特徴

ベーチェット病の基本的な特徴は、血液の中の白血球の反応が非常に強いことと、炎症のために静脈が詰まる「閉塞性静脈炎」の発症です。

ベーチェット病が眼に起こす症状

虹彩毛様体炎が起こり、充血や痛み、かすみを引き起こします。しかし炎症が治まれば視力が回復します。
炎症が眼底に起こる網膜血管炎と、炎症の起こった網膜が破壊されるため、炎症が反応すると徐々に視力が低下し、視野が狭くなります。

網膜の炎症を繰り返すと、半数近くは10年後に視力が著しく低下します。合併症として白内障と、緑内障、黄斑変性、視神経萎縮などを起こすことがあります。

ベーチェット病は全身疾患なので、アフタ性口内炎、皮膚の様々な症状、関節炎、胃腸症状、脳や脊髄の異常、血管の異常、肺・泌尿器の異常などを起こすことがります。

ベーチェット病の治療

完治することは今のところできませんが、ある程度まで症状をコントロールする治療を行います。
コルヒチン、シクロスポリンなどの免疫抑制剤、ステロイド剤、レミケードなどの生物製剤などが使われます。

原田病

原田病とは

全身にあるメラニン色素をもった細胞がリンパ球によって破壊される病気です。メラニン色素のあるぶどう膜、毛髪、皮膚、耳、脳の髄膜などに症状が出てきます。

この病気は遺伝的要素から発病しますが、実際に発病するのはごく一部です。

原田病が眼に起こす症状

ほとんどの場合、両目同時に発症します。眼の症状の前に、発熱・頭痛、倦怠感などのかぜ症状が先に現れます。

発症初期には網膜と脈絡膜との間に水がたまって網膜剥離が起こるため、眼がかすんだり、見えにくくなったり、ものが歪んで見えたりします。

全身症状としては、初期には頭痛、倦怠感、めまいや耳鳴り、難聴、髪の毛をさわるとビリビリするなどの症状を起こすことがあり、慢性的には髪の脱毛、白髪、皮膚の白斑を起こすことがあります。

原田病の治療

点眼薬を使いますが、それだけでは不十分な場合が少なくないため、ステロイド剤の大量点滴投与が一般的ですが、再発、再燃がよく起こります。

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2015年3月2日月曜日

糖尿病網膜症 視力が落ちてかすむ

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糖尿病網膜症とは

糖尿病が原因となって網膜に起こる障害です。

糖尿病になると、血液中のブドウ糖が過剰になり、血液の粘性が高まります。すると血液の流れが悪くなり、詰まりやすくなって眼や腎臓をはじめ全身のいたるところにトラブルを引き起こします。

なお、糖尿病の3大合併症といわれているのは、網膜症、腎症、神経障害です。


糖尿病網膜症が起こる仕組み

第1段階「単純網膜症

網膜には無数に細かい血管が張り巡らせていますが、糖尿病になると血管がつありやすくなるため、酸素や栄養が届かなくなります。この段階は単純網膜症という初期段階で、毛細血管の一部がこぶのように腫れる毛細血管瘤、点状・斑状出血、血管から血液成分が染み出てできる硬性白斑などが現れます。

この段階で自覚症状はありませんが、ものを見る中心部の黄斑部に病変が及ぶと、かすみがひどくなったり、ものが歪んで見えたりして、視力が低下することがあります。

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第2段階「前増殖網膜症

さらに進行していくと、網膜の細い血管が詰まって、網膜の一部に虚血状態が生じます。
そして増殖網膜症へ移行する危険な状態になります。

出血や硬性白斑が増えて、虚血部分に軟性白斑、血管が拡張するなどの血管異常などが現れます。自覚症状は黄斑部に及ばなければあまりありません。

第3段階「増殖網膜症

さらに進行すると、網膜の虚血を補うために、網膜に新生血管が発生して、硝子体へと伸びていきます。この新生血管が発生した状態が増殖網膜症です。

新生血管はとても脆く、破れやすく、硝子体出血を起こします。また、新生血管とともに増殖膜が形成され、この膜が収縮するともう泣くが引っ張られて網膜剥離を起こします。

硝子体出血や網膜剥離が起こると、飛蚊症や視力低下などの症状が現れ、放置しておくともうなく剥離や緑内障などを原因として失明してしまうことがあります。


糖尿病網膜症治療法

血糖コントロール

糖尿病網膜症の治療の基本です。

薬物療法

止血薬、血管拡張薬、循環改善薬などの投与がありますが、確実に有効は薬品はありません。

網膜光凝固(レーザー治療)

血管の障害で起きたむくみを軽減し、新たな出血や緑内障などの重篤な合併症を抑えるのに効果があるとされます。

ただ、糖尿病の長い経過の中での改善や進行予防を目指したものであり、短期的に視力が回復するとは限りません。

硝子体手術(レーザー治療)

硝子体出血や網膜剥離が起きた場合には、硝子体手術が行われます。この手術や特殊な器具を眼内に差し込んで、手術用顕微鏡で確認しながら混濁した硝子体を切除し、増殖膜を切除して、はがれた網膜を復位させる手術です。

ただ、手術の目的は悪化を抑えて失明するのを防ぐことなので、手術が成功しても、それほど視力が回復しない場合があります。

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2015年3月1日日曜日

黄斑円孔 見たいところが見えない、見にくい

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黄斑円孔とは

網膜の中心部である黄斑に穴が開く病気です。

中年の女性に多く「見ようとするところが見えない」「見ようとするところがくちゃぐちゃして見えにくい」などの自覚症状があります。

通常は両目で見ていることから以上に気づかず、たまたま片目で見て気づく場合が多いようです。

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黄斑円孔の原因

特発性(原因不明)、強度近視に伴うもの、外傷性、続発性(原因となる疾患があるもの)に分けれれますが、一般的に黄斑円孔は続発性をさします。

穴が開く仕組みは、眼内の硝子体が加齢に伴って液化・収縮し、硝子体と比較的強くくっついている網膜の黄斑部が引っ張られることで穴が開くといわれています。

経過とともに視力は経過して、円孔は拡大しますが、特殊なケース以外は失明はしません。

黄斑円孔の治療

手術を行うことになります。円孔が小さいと自然にふさがる場合はありますが、レアケースです。

一度の手術で円孔が閉鎖する場合が多いですが、再手術が必要になる場合があります。発症から期間をおかないうちに手術することが望ましいといわれています。

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網膜上膜形成症 視力が落ちたり歪んで見える

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網膜上膜形成症とは

網膜の上に何らかの原因で膜が形成される疾患です。
特に、ものを見るときに重要である網膜の中心部「黄斑」部分に多く尾子よります。

原因としては眼内の炎症(ぶどう膜炎)、糖尿病網膜症などの網膜血管病変、網膜裂肛や網膜剥離など、ほかの疾患に引き続いて起こる場合(続発性)と、はっきりした原因がない場合(特発性)とがあります。

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網膜上膜形成症が起こる仕組み

網膜上に形成される膜が厚くなってくると、網膜へ十分な光が届きにくくなり、また、上膜が強く収縮して網膜をけん引して視細胞の配列を乱したり、視細胞を障害したりすると、ものが歪んで見えたり、視力が低下したりします。

しかし、視力の障害は軽微なので、ほとんど症状がないこともたびたびあります。

網膜上膜形成症の治療

視力の低下や歪んで見えたりしないなど、自覚症状がない場合には治療の必要がありませんが、症状が出て進行してくるような場合は治療を行うことになります。特に、網膜剥離術後などに続発する網膜上膜は、進行が早いことから、治療することが多くなります。

治療法は、眼内に直接器具を挿入して、上膜を剥離して除去する硝子体手術を行います。治療により多くの症例では改善するものの、もとのように見えるとは限らず、歪んで見える症状は残存することが多いようです。

また発症からかなり時間がたってから手術した場合はあまり症状が改善しない場合があります。視細胞はいったん障害されると、完全にもとには戻りにくいからです。

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